←9月の雨・・・・・September Rain / Saturday,Saturday Night・・・・・休み→

昭和という風景・・・「佐賀のがばいばあちゃん」を見る

朝からクソ忙しく仕事してました。
最近、なんや余裕がありまへん。
また、しばらくしたら温泉逃亡を企てる可能性が出てきました(笑)

しかし涼しくなりましたね。

オフィスは今日、クーラー入ってませんでした。

一服しながら撮影した秋晴れの空。


そして、みんなが昼飯行ってる間に留守番中。


紅一点だった小悪魔Eちゃんはやめちゃいました( ´Д⊂ヽ

オフィス男祭り展開ちう。
しかし来週からは新しい女性が入るそうです(`・ω・´)シャキーン

・・・・・・セクハラと言われない様にせんとな・・・・・・・

仕事を一つ完成させて家に戻りました。
戻って例のFAUN DVDの最後の追い込み作業をやってたら・・・・・・
さっきの仕事や別の仕事の修正依頼メール&電話がガシガシと入って来ます(泣)
ハイテンションになって片づけて、Premiereとにらめっこ。

そうなんですよ。なんでもボタン一つで一瞬にできるわけやおまへんねんで(笑)
この10分間のDVDの為に何十時間費やしたんだろなあ。
でも、それも終わりが見えてきたので精神的にはかなりラクになってきた。

が。

今日は嫁と映画に行く約束をしてたんだが終わりそうにない・・・・・

このテンションを持続させたまま作業を継続させた方がいいのはわかっているが
家庭の平和を守るため(爆)に徹夜作業を決意して映画館へ。

今日の映画は「佐賀のがばいばあちゃん」。

漫才コンビB&Bの島田洋七氏が書いたベストセラーを原作に作られた映画だ。
最近、けっこう邦画づいてます。
前にみた「恋するトマト」もけっこうよかったし、これはまた改めて。

この「佐賀のがばいばあちゃん」は大々的に宣伝などしていなく
配給されている映画館もものすごく少ない。
そういった予算がなかったんだろうな。
実際、映画はほとんど佐賀の人達がエキストラとして参加していたみたい。

上映されている映画館を探してみたら、「千日前国際シネマ」らしい。
あのまぜカレーでお馴染みの「自由軒」の並びのトコやね。

行ってみたら、なんと古い映画館だこと!
この商店街のど真ん中によくこんな映画館が残っているなぁと思った。

http://www.cinema-st.com/road/r034.html

思わず写真とりまくる。


このフォント(笑)


今日はこの映画をオールナイトで上映するらしい。
(ちなみに隣接する映画館はポルノ映画館だ!行ったことない!行ってみよう!)

しかし観客は全部でたったの6人。
そのウチの半分はただ単に朝まで寝て過ごすおっちゃん達!

すばらしいレトロな感覚の中、「サーー」というヒスノイズまみれのアナウンスが。
電気がフェードアウトではなく「バチッ!」と消える。
しかし「禁煙」という赤ランプや「非常口」の緑の光。そして完全に消えない場内照明(笑)
あんなに明るい映画館も最近じゃめずらしいぜw

さて映画が始まりました。

この映画は島田氏の実話からなるお話で昭和31年から舞台は始まる。
(まったくの偶然か、この千日前国際シネマも昭和31年設立だ!)
原爆症で父を亡くした主人公は居酒屋で働き出した母が恋しくて
ついお店にまで泣きながら行ってしまう小学3年の男の子。

たしかに夜の店で泣いてるコドモを見るほど冷めるもんはない(笑)

意を決した母親は佐賀のおばあちゃんに主人公を預ける決意をする。
半ば無理矢理、夜汽車に放り込まれた主人公は佐賀へ。

ここでおばあちゃんと対面。
おばあちゃんは女手一つで子供7人を育て上げた強き昭和の女性。
58歳になった今でも掃除婦として働きながら自活している。
そして、ばあちゃんと二人の生活が始まった。
母が恋しくて、故郷広島へ続く線路を眺めたりしながらも
独特の、そして、真実がいっぱいつまった「ばあちゃん語録」そして「哲学」を
素直に受け入れて育っていく主人公。

「ケチはいかん。でも節約は天才たい!」
「暗い話は夜にするな。明るい昼間話せばなんでもない。」
「お腹がすいた? そりゃ、気のせいじゃ!」
「ひとに気づかれずにやるのが、ほんとの優しさじゃ」
「拾うものはあっても、捨てるものはなかとばい」
「生きていることが面白い。なりふりかまうより、工夫してみろ。」

どんな環境下でもそれを笑い飛ばすポジティブなパワー。
全ては気の持ちよう。
こういったセリフをシレッと吐けるには相当タフじゃないと絶対に無理だ。
あの激動の昭和。それを支えたのはやっぱりこういった女性だったんじゃないかと思う。

この映画は「心」が一番描かれていると思った。
それも「人に対する澄み切った心」である。
登場する人物にイヤなヤツが誰もいないのだ。

運動会の時にばあちゃんは仕事で見に来れない。
「運動会の時ぐらい卵焼きを持たせてやりたい」と朝からニワトリの前で
「産め!産まんか!このバカニワトリ!」と念ずるばあちゃん。
残念ながら卵は産まれず、梅干しとショウガの日の丸弁当を持たせるばあちゃん。

運動会の昼休み。
もちろん主人公は一緒に食べる相手はいない。
教室で一人、弁当を食べているとそこに先生がやってくる。

「おーう、お前の弁当って梅干しとショウガ入っとるやろ。
 センセ、朝から腹具合悪くてな~、腹痛に梅干しとショウガ効くから弁当取り替えてくれや

このセンス。
ここにオレは一番感動を覚えました。
「哀れみ」ではない「優しさ」。
こんな事、なかなかできるもんじゃないですよ。
そして次から次へと同じ事を主人公にやりに来る先生達(笑)

そして8年が経ち、主人公も中学三年生。
最後のマラソン大会にずっとずっと逢えなかった母親が広島から見に来た!
併走する自転車の先生が「お前、よかったなあ。本当によかったなあ」と涙を流す。
(ちなみにこの先生役の山本太郎氏は名演!いい俳優になったよなメロリンQも)

そして高校入学と共に8年間過ごした佐賀ともお別れ。
「ばあちゃん。オレ・・・・・行くね」
「・・・・・・はよいけ!」
鍋をゴシゴシと磨きながら顔を合わせようとしないおばあちゃん。

主人公が出て行こうとしたその時

「・・・・・・・・・・・・・行くなーーーーー!!」と叫ぶおばあちゃん。

よくある「死別」で涙を誘うラストシーンじゃなくてよかった。
見終わった後、すがすがしい気持ちになれる映画でした。
邦画、捨てたもんじゃないです。いい映画ほど小さい映画館でしかやってねーんだよな。

この映画を見て思い出したことがある。

あの永ちゃんこと矢沢永吉氏も両親が離婚してから
親戚をたらい回しにされて、おばあちゃんの所に預けられたのだった。
そしておばあちゃんはくず鉄拾いや芝刈りをやりながら永ちゃんを育てたのである。
しかも、永ちゃんの父親も原爆症で亡くなっている。

「永吉。これを卵だと思って食うな。鶏一匹殺してくれたと思えよ」
(著書:成り上がりより抜粋)


同じ時代、同じ境遇を生きたおばあちゃん達のセリフに
「強さ」と「優しさ」を感じるのはオレだけではないはずだ。

この「佐賀のがばいばあちゃん」は
「強さ」と「優しさ」が満ちあふれているとてもいい映画です。

DVDとかにはなりにくいかも知れないので
オフィシャルサイトにて上映スケジュールを探してみてください。

必見です。

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| 映画・ドラマの話題 | 05:20 AM | comments (0) | trackback (0) |

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